どうやら、薬局にいて白衣を着ていないと「薬剤師」という認知を得ることは難しいらしい。



「薬剤師です」と自己紹介に含めても、


「え、免許あるんですか?」と問われる。



通常勤めているIT企業では、初対面の取引先の方から

「薬剤師ってそんなに稼げなくなってるんですか?」

と露骨な質問をされたこともある。


頻繁に驚かれるけれど、あなた方の驚きぶりに私の方が驚いているよ。
リアクション芸人への転職を勧めるよ。


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そして定番の質問へ。
「前職は何をされていたのですか?」
「薬局薬剤師です」

何故薬剤師として働かないのですか?



そんなに薬局薬剤師だって良いものじゃないよ、と私は思います。


ですが、多くの人からはそう思われない。


だから
(薬剤師ですと名乗っても)国家試験に落ちて免許が取れなかった人だと理解したり、薬剤師の地位自体が自分の知らぬところで落ちているのだと一人で納得する人の群れが尽きないのでしょう。



今回はそんな定番の質問に対する
「医療現場で働かない薬剤師の道を選んだ理由」
について書いてみようと思います。




2018年夏現在、私は6年制の薬学部を出て、社会人4年目を過ごしています。
その短い期間の中で今も強く感じていることは
薬学部を出ると監査系の仕事ばかりになる」こと。


監査、とは簡単にいうと「対象物が正しいかどうかをチェックすること」です。



私は就職活動時点から、監査系の仕事から逃れるための戦いをずっとしてきているように思います。


周りから期待される薬学部出身者としての自分と、サービス精神旺盛で創作が大好きな自分。
ギャップがあまりに大きく、就職活動時からずっと苦しんでいました。


新卒で入った会社(工場勤務の品質管理部)を1年足らずで辞めた際も

「とりあえず東京に住みたい。でも家賃高い。だから薬局薬剤師でとりあえず食いつなごう」

そんなつもりで都内に引っ越し、都内の薬局で勤め始めました。
そして薬局で満足できる筈がないとわかっていた私は、都内生活を始めると同時にグルテンフリー商品を扱う通販ショップの運営を始め、趣味でこのブログやラジオ番組を作ったりしていました。




では、何故その趣味が豊富な薬剤師生活を続けられず、IT系ベンチャー企業に転職したのか。




私の、医療現場の薬剤師として勤める事を選ばない理由





完結に言うと、「何かしらのモノ・サービス作りに携わりたかったから」です。


なぜ作ることにこだわるのか?それは

何か形に残るものを作った時に達成感を覚える人間だから




ずっとそう思っていました。
けれど、それを更に要素分解できる文章に出会ったので、ご紹介します。


先日読んだ落合陽一著「超AI時代の生存戦略」より、「ギャンブルと報酬」の節です。




私の意見も盛り込んだツイートなので読みづらく恐縮ですが、
落合さんはこの本の中で、
ギャンブル性のあるものほど人はハマりやすい
というようなことを解説しています。



「ギャンブル性」とは一般的な賭け事ではなくて、

何かをやってみる

結果を待つ(ドキドキする)

結果が出る(報酬)


という一連の流れのことを指しています。
さらに、到達する報酬については下記3つに分けられるとも書いてあります。

1. ギャンブル的な報酬
2. コレクション的な報酬
3. 心地よさの報酬


あなたが好むものはこの中のどれですか?


私が好むものは1と2でした。
そして、即座に思い当たることがありました。



医療現場の薬剤師としての仕事には、この2つが無い
のです。


だから私は続けられない。
週5日8時間なんて、そんな多くの時間を差し押さえられることに我慢がならない。


これが私の感情ベースにおける一番の理由です。
 


なんじゃそりゃ、って思う人も当然おられると思います。
患者様とのつながりが積み重なっていくことは2に近い部分もありますし、
医療はプライスレスな価値があるという認識をお持ちの方もいるでしょう。


私は、監査印を押すことが仕事の、製品や人の通過点になりたくなかった


だから今、こうして休み時間を削って文章を書き続けているし、
事業がすぐに急転換するIT系ベンチャー企業に勤めています。



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なるべく気持ちの分解を丁寧にしたけれど、理解できず終わってしまった人がいたらごめんなさい。
ただ、そんな考え方をした奴もいるんだな、という知識の一部になれたら嬉しいです。