私は今、人生で初めてドイツに来ています。一人で。

 
土曜の夜にフランクフルト空港に着き、そのままケルンへ移動し、クタクタの状態でユースホステルへ。
安い相部屋なので仕方ないとはわかりつつも、シャワー設備に不満。
シャワー室が小さい!水が外に漏れる!なんなのもう!


そんな私が夜に何をしようかなとネットをザッピングしていたら、見つけた。


Claudius Therme .


テルメ!風呂だ!


「リラクゼーションしたい!お風呂に浸かりたい!
ついでに夕ご飯も食べて帰れたらいいなー。ヨーロッパの風呂ってどんなんだろう。わくわく。」



そんな軽い気持ちで足を踏み入れるその時は、まさか人生最大のカルチャーショックを受けるとは1mmも予想しておりませんでした。



HOTE86_yubunenitukaru15104832_TP_V

(日本の美しい風呂イメージ)



入り口から水着で男女混合プールが見えたので、
「あれ、プールあるの?風呂じゃなくて?」
と急に不安になりながらも受付へ。


「水着ないんだけど、入れる?」
「大丈夫。サウナだね。バスタオルある?」
 「ない」
「レンタルする?」
「する」
という短い会話の後、フロアマップと共に館内説明を受ける。

「ロッカー番号はこれ、会計は全てこのリストバンドで行う。ここ更衣室、サウナはこっち」 
「え、説明これで全部?」
 「うん」


と非常に短い説明で放流され、まず自分に与えられた番号のロッカー にたどり着く。そこで初めて異変を察知する。


あれ?男女の区分けがないよ???


たしかにロッカーの傍に仕切のある着替え部屋はある。
でも、普通に男性も歩くエリアだよねここ?見えちゃうじゃん?あれ???


ざわ....ざわ.....


ざわ....ざわ.....



ざわ....ざわ.....



心の中の福本伸行氏が騒ぎ出す。



不安が私を飲み込む。館内図は英語併記がなく、allドイツ語。正確には読めない。それでも男女を示すマークがないことはわかる。 え?どういうこと???


状況を受け入れられず、服も脱げないまま「もし、服を脱いだらその後行くべき道」へ顔を出すと



タオルを体に巻いた男女が歩いてる。 


ちょ、ちょちょちょちょっと待って。
そういう感じなの?????



本当に驚いた。



暑すぎず寒すぎずの最高の青空。平和の象徴かのような日曜日の昼下がり。
そんな屋外で、若いカップルからじいちゃんばあちゃんまで、男女みんながタオルを巻いてるだけ
じいちゃんに至ってはタオル巻かずに屋外の椅子に寝そべってたりする。


What's????!




まじで知らなかった。ドイツの殆どの風呂が混浴だなんてこと。



戸惑いながらも、水着がないので、タオルを巻きつけ私も足を踏み入れました。


そこで目にするはいきなり全裸で外でシャワーを浴びているカップル。 
そちらに気を取られていたら、向かいから腰にタオルを巻き途中の若い男性が歩いてくる。



Oh....SO BIG sausage...........




膨張率の個人差が大きいので平常時の姿を見て騒いでも仕方ないんですけどね。



いや間違えた。
そういう話じゃないよ。



驚きのベクトルが急に違う方向むいちゃったよ。


 


話を戻すと、屋外の仕切りもろくに無いシャワーを全裸で浴びているカップルや屋外プールを全裸で泳ぐ人々。
プールを上がった直後も、すぐにタオルを纏うなどせずゆったりとした動作。
いやらしさゼロ。ZERO!!



ビビりすぎて屋外全裸シャワーは出来ず、プールもサウナも入れないままリクライニングシートへ潜りこむ。そこで悶々と現在の衝撃を噛みしめる。



落ち着け、落ち着くんだ私。
ここはドイツ西部の大都市の1つ・ケルン。
街を歩いている限り治安が悪い気配はないし、ほとんど全ての場所で声をかけられるから一人でいる気がしないくらいフレンドリーな地域だ。
そういえばどこかで「LGBTの大規模パレードが行われた」と読んだな...
性に寛容な地域だからなのか?
いや、でもそれは関係なさそうな気がする。カップルだって全裸のパートナーが真横にいてもソーセージが膨らむ気配無いし。
えーーん、わからないしついていけないよ!せめてバスローブ欲しかった!あとなぜか日本の旅館で置いてあるようなペラッペラの浴衣着てるカップルいるけどなんなんだあれ!私も着たい!
あーーーーーーーもうどうしようーーーーーーー!!!!!!!



などと予想外の地に足を踏み入れてしまったことへの衝撃を全身で噛みしめるも、何も出来ない。
しかし外は良い天気。
暑すぎず寒すぎず、うっすら雲に覆われているおかげで日焼けの心配をするほどの直射日光もないから眩しくもない。
あー気持ちいい。うとうと。みんな本読んでるなーいいな私も持ってくればよかったなー。うとうと。うとうと。


・・・・・・・・


あんなに焦っていたくせに、爆睡。


だって天気良かったんだもん!都市観光で20,000歩以上歩いてて疲れてたんだもん!



目が覚めたら太陽の位置が明らかに変わっていました。
こんな体験久しぶり。



もともと悩まない性質のせいか、「郷に入れば郷に従え!」と開き直って立ち上がり、「ソーセージを目撃するのは5本以内」と心に決めて散策スタート。
フロアマップには場所ごとの説明があるのですが、ほとんど読めないので人のいないタイミングで屋内シャワーを浴び、「サウナ」っぽい表記の場所へ足を踏み入れる。



待ち構えていたのは、まさかのロウリュ。



日本のサウナって密室で湿ったところ部屋をイメージするかと思いますが、私の訪問した施設ではロウリュも湿った密室も「サウナ」表記でした。
 


たまたま係員が扇いでくれる時間が近かったらしく、少し座っていたら人がわらわらとやってきました。



最初は若いカップル。バスタオルを下にひいて、素っ裸。
続々と入ってくる人たちも同様にタオルを下にひいて座ったり寝そべったり。
みんなやたら袋がでかいなぁ、ぺちぺち当たるやつだな...なんてことを考えられるほどには慣れてきていました。
そして、この辺りで最初の宣言「ソーセージを目撃するのは5本以内」の達成を諦めました。ええい!こうなったらマッチョな身体とセットで見ちゃうぞ!



イケメンだけど膨張率もあまり期待できなさそうなソーセージが目に入った時は少しほっこりしてしまったよ。


 
腰にタオルを巻いた若い男の子が力強く扇ぎ始める。
はぁ。分厚い胸板を見ているだけでお姉さん幸せ。ドイツ最高。



驚いたことに、暑さも手伝ってなのか、男女混合の裸の密室という非日常に違和感をおぼえなくなってきました。




ロウリュのおかげで何かを乗り越えた私が「帰る前に挑戦したい!」と鼻息を荒くしたのは全裸プール
この時点で20:20頃。
外は明るいのですが、屋外プールに飛び込む勇気はなく、屋内を狙う。



いざ2Fの屋内プールを覗いてみるとおじさんがガチ泳ぎ。
どうしてもプールというより風呂を想像してしまう私は
「なんで!?お行儀悪いって誰も怒らないの!???」という強烈な違和感。
しかし耐える。
2組が泳ぎ終わり、誰もいなくなったところでこっそり入る。

入って気付く。


ここ、深い。


そりゃ泳ぎたくもなるな、と納得の深さ推定140cmの約15mプールでした。


ガチ泳ぎは出来なかったけど、全裸でプールに入るところまで出来たので、私は私に花丸をあげました。



ひとり達成感を覚えてプールからあがった瞬間に、近くで見ていたらしいおじさんに微笑まれました。
地味にこの時が一番恥ずかしかったです。



結局3時間以上滞在し、すっかり混浴に慣れた身体で帰宅しました。




......どう思いましたか?
あなたは馴染めそうですか?それとも絶対無理!と震えましたか? 




私はこの時間で、人生で最も大きいカルチャーショックを受けました。ずがーーーん!!!!
この世に全裸混浴(風呂というか、プール)が存在することにも驚きましたが、全員がいちゃつく気配ゼロで本当にただゆったり過ごしていることに対してはそれ以上に驚きました。


私の記憶の中で最も新しく、かつ更新頻度が高いのは東京サマーランド。
これと比較してみると違いをさらに噛みしめることになりました。


サマーランドでは、ちょっと暗くなっている温浴エリア(水着着用にて男女混浴)があります。
そこは水着のカップルがいちゃいちゃする定番スポット。


去年行った時はとうとう「いちゃいちゃ禁止」みたいな貼り紙がありましたが、相変わらずいちゃいちゃは繰り広げられておりました。


この事例をベースに考えると、日本人に男女混浴施設を与えたらソーセージは持ち上がってしまうし、カップルはおっぱい揉むもまれるくらいは当たり前になる環境を想像する。
でも、ドイツ(ケルン)では一切なかった。
たくさんのソーセージは下を向いていた。



この違いに、性の捉え方についてそう簡単には越えられない大きな壁があるのだろう。
私はたった2時間で慣れて違和感なく受け入れられるようになったけれど、それを日本国民全員にするのはかなり難しいだろうし、今すぐ絶対必要だとも思わない。
ただ、性を含む自分の身体をなんら気にせず外に投げ出すことのできる開放感や安心感は途方もなく大きかった。
こんな日常があったら、もっと生きやすくなるんじゃないかと強く思う。



「どうせXXだから」と自分の逃げ道を、論点と関係のない自分の身体に向けてしまう程に弱った時には、また訪れたい。
写真はないけれど、心の中で鮮明に保ちたい記憶になりました。