グルテンフリー生活7年目・ふり子のおまけ

グルテンフリー生活7年目の薬剤師。 20歳の時にアナフィラキシーショックで倒れ、「茶のしずく」石けんによる運動誘発性小麦アレルギーと診断を受ける。 グルテンフリー生活をもっと取り入れやすくするために活動中。

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MC力を磨くべく自主ラジオも更新中。
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とうとう、手を出してしまった。
後悔するばかりだと予想して疑わなかったのに。






有川浩さんが大好きな私にとって
ずっと読もうか読むまいか悩むまま手を出さずにいた
好き、だった。 はじめての失恋、七つの話。(MF文庫ダヴィンチ) (MF文庫ダ・ヴィンチ)」。


 
手を出さなかった理由は有川浩さん以外の著者に馴染みがなく、
「はじめての失恋」なんてサブタイトルからしてもう、
全然楽しくなさそうだったし、

湿っぽい話に浸りたい気分にならなかったからだ。 



それが結局、「校閲ガール」を読んで宮木あや子さんを知り、
踏み出すことになった。


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トップバッターかつ一番期待していた有川浩さんは不倫一歩手前(時間軸的に、である)の話。
二番目の朝倉かすみさんはどっぷり、不倫の話。 


あぁもう不倫ネタはやめてくれよ、と思っていたけれど、

石原まこちん
紺野キリフキ
両2名の話が予想を裏切ってくれて期待値を超えてくれた。



石原まこちんさんの文章とはおそらく初めての出会い。
最初の作者紹介でTHE 3名様の原作者と知り、胸高鳴る。
DVDめっちゃ観てたもんで...。


肝心の中身も◎
パパの失恋からの自信回復なのか、娘が大好きなキャラクターに対する失恋なのか
どちらなのかも判然としない。
でもみんなハッピー。
これを一番真ん中に持ってくる編集者さんもプロだなぁと思った。



紺野キリフキさんも初見でしたが、「とげ抜き師」ネタで一作書き上げているのが納得の仕上がり。
短編というよりは、シリーズのオプションなんだろうな。
 


宮木あや子さんは
14歳・女子中学生の主人公に
「初めての失恋にふさわしい素晴らしい葬式だったと思う」 
と言わせてしまう。 




あぁ、私、小説が好きだ。


直木賞をとったから知っているのか


映画化のポスターだけを知っているのか


著者の朝井リョウさんの他の作品を読んだことがあるのか



もはやどのスポットで知ったのかわからない有名作「何者」


 




映画化の宣伝をどこかで一瞬見て、就活の話だ、くらいの予備知識で読み始めた。



ここに出てくる学生はおそらく有名国立大でもなければ早慶でもない大学生。 
 


有名企業のエリア社員を手堅くつかみとったり
有名ではない、中堅かそれ未満の出版社に「ロマンを抱えて」決めたり。
なかなか現実的な設定。



いろんな人がいろんなことをいう、就活。



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たぶん平成元年生まれの朝井リョウさんと同じ世代・昭和の終わり頃〜平成4年生まれあたりはこれを読ん直後は自分の就活のことを語りたくてしょうがなくなったんじゃなかろうか。



かくいう私もその通りで、調子にのって自分語りをすると、私大薬学部の選択肢が少なくて苦労させられた。


慶応ではない私大の薬学部だった私の周りは
・現場(病院、薬局、ドラッグストア。75%がここに入る)
・MR(製薬会社の営業)
・CRO(製薬会社から依頼を受けて治験補助をする仕事。現場もMRも嫌だ!の人が殺到していた)

 の3つしかもともと選択肢がないようなものだった。




一応製薬会社の開発を狙うけど、結局はMRでおさまって、MRで修行してから他の部署を狙う、と自分を納得させるとか。
開発部に新卒で通った数人は、現場志望以外の人たちからは羨望と嫉妬が混じる有名人のようになっていた。


そんな彼らは卒業からもうすぐ3年が経つ現在、一体どうしているのだろう。
一度も音沙汰を聞いていない。
卒業した後の同級生なんてそんなものだ。




自分の所属する大学だけじゃなく、薬学部が無理だ!性に合わない!と呻いていた私は
「就活を一緒に頑張った仲間☆」 というのがいなかったから、そもそも就活時に特定の輪に属した経験がない。
「一緒に頑張ろう!」といいながら集まっている人たちも大変だったのだなぁと今になってわかる。

 
 
小説に出てくる通りのサイクル、大学3(薬科は5)年生の12月に情報解禁、で就活を始める最後の代だった私は、1-3月の病院実習が、就活のスタート時期とがっちりぶつかって、就活のために実習を休むことが増え、これ以上休んだら単位をやらないと宣言され、文字どおり泣きながら一般企業の「普通の」就活を諦めた経験がある。
※この場合の「単位をやらない」 は「進級できない」を指す。つまり卒業年度が変わるために就活の意味がなくなる。本末転倒。



大学が就職を支援しないなんて!!!と驚かれることもありますが、私大薬学部は基本的に「現場で働く人を増やす」ための大学なので、それ以外を志望する学生は大学からはどうでもいい存在に成り下がると思ってもらえればイメージが湧くかと。



あぁ懐かしい。


書き始めるまでは「ひきずられて自分の思い出なんて語るもんか」と思っていたけれど、
まんまと書いてしまった。
3年前の自分のこと。




朝井リョウさんの著書は、出演者たちが真剣に一つの共通のことに取り組んでいるからこそ現れる、泥臭い部分の細やかな描写が読みどころ。


チア男子! ! (集英社文庫)を読んだ時にも思ったことだけれど、
大学生のキラキラしたところをメインの題材にしながらも、こんなに黒い部分が描ける朝井リョウさんは、キラキラ大学生を横目に、引きこもって一人文章を書き続けていた人なんだろうなぁと思う。



キラキラした当事者から離れて初めて同世代間の脆さが見えたとき。
それこそが、著者も、読者である私たちも、自分が「何者」かを考えるタイミングだったんじゃないだろうか。


 


犬山さんの著書を初めて読みました。
私、子ども欲しいかもしれない。:妊娠・出産・育児の〝どうしよう〟をとことん考えてみました
犬山紙子 著


 

漠然と鋭いことを書く文体の人だという先入観を持っていたので、
いろんな人にインタビューをして、その全てに寄り添い、時に自省して過去の自分を叱咤する。
そんな犬山さんのとことん謙虚で、女らしさはないと言いながら純度100%女性の、女性による、女性のためである本作に驚きました。


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子供を持つことにも、結婚にすら漠然と「ピンときてない」26歳の私にとって、
「お金の不安はたとえ4年たっても消えない」
「当時は不安だったし大変だったけど、越えたら自分のキャパは広がるし、振り返るとちゃんとできている」
などなどグッと刺さる言葉がたくさん散りばめられていました。


自分のキャパが広がるというという期待って、なかなか自分では持ちづらい。
謙虚を美徳とする文化の中で生きているし、そもそも自分の成長を見込みにいれられる人ってどれくらいいるんだろう。
でも、その前向きさが未来の自分を作るのはきっと多くの頑張りやさんに当てはまること。


そんな勇気をくれて、自分の思うままにしていいんだよ、と
そっと背中を押してくれる本でした。



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